第8章 星漿体①
そうこう話している間に目的地のホテルが見えてきた。
『待ち合わせ、ここの最上階だよね?』
20階以上はありそうな大きなホテルを下から見上げると、
ボンッ
爆発音と共にホテルの最上階の一室の窓ガラスが割れ、白い煙が外へと吹き出した。
「ーー⁈」
「お?」
『え、、まさかあそこって、、、』
まさに今、これから向かおうとした場所だ。
ゴオォォ、、、と音を立てて煙が空へと昇っていくのを青褪めた顔で見上げている私の隣で、
「これでガキんちょ死んでたら俺らのせい?」
と五条が呑気な事を言っている。
『今そんな事言ってる場合じゃ、、ってアレ‼︎』
窓から投げ出されたのか、人らしきものが凄い速さで落下していくのが見えた。
恐らくあれはーーーーー‼︎‼︎
ヒュッと息を飲み、動けなくなってしまった私とは裏腹に、既に傑が手持ちの呪霊を使い救出へと動いていた。
『ーーーー傑っ、、』
その瞬発力と機転の速さにただただ脱帽する。
そう、失敗は許されないのだ。