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女の子の成分。

第2章 隣の如月 葵side


クラスメイトとあまり会話もせず。
約一週間が経とうとしていた。

葵「まずい…まずいぞ…非常にまずい…」

そう。
今日から弁当を持参してくるのだ。
つまりは。

クラスメイトとここでグループを育まなければ、私は一年間このクラスで唯一のぼっち…いや、この言い方は良くない。
「孤独主義者」になってしまう。

葵「だけど…そんな事言ったってもうグループ完全に出来ちゃってんじゃん…」

私が入ろうなんてしたらそれこそ蛇に睨まれた蛙である。
ここは完璧に「孤独主義者」を演じるべきか…。

ちらりと横の長身のクラスメートを見ると、熱心に授業のノートを取っている。

葵「えらいなぁ…」

私?私は…






真っ白。





元々勉強は得意ではないと言っておけば説明は十分だ。


ぱちっ




目があってしまった。


葵「っ…!?」

しまった。まずい。非常にまずい。
喋った事もないクラスメートを見つめすぎるとかただのストーカー…。
好きとか考えてるとか思われているかもしれない。


真「ねぇ。」
葵「ファッ!?」

授業中にしてはかなりでかい声を出してしまったが問題ない。
ほとんどの生徒が喋っている。
先生も新任で若い女性教師ということもあってか注意するどころかこの状況にあたふたしているだけだ。

となりの長身のクラスメートはというと。

真「ノート…取らないの?」
葵「…は?」

なんとも間抜けな声がでた。

真「今のうちに取っておかないと家庭訪問の時に大変だよ」
葵「…ん?え?は、はぁ…」
真「…もしかしてわかんない?」
葵「…悪いですか」
真「ん?!い、いや!そ、そんなつもりで言ったんじゃないんだけども…」
葵「そう」
真「…」
葵「…」
真「あの、さ」
葵「ん?」
真「良かったら、ノート見る?」
葵「は?」
真「い、いや、迷惑ならいいけど」
葵「い、いや、ありがとう。えっと…」
真「あ、俺、如月 真斗」
葵「あ…そう」
真「えっと、下田?」
葵「は、はい」
真「よろしくね」
葵「よ、よろしく」

これが最初の会話。
ぎこちないけど、この時にはもう。



彼のことが好きだったんだと思う。
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