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999本の薔薇〈進撃の巨人〉

第8章 Rose



 そのまま、ローズの垂れてきた髪を耳にかける。
 ローズは少し目を細めてされるがままだった。


「今度、地上の商人が地下街に来るらしい」


 頬を指の腹でひと撫でし、リヴァイは言った。


「商人? どんなものを売ってくれるの?」

「噂で聞いただけだが、地上で最近流行ってる甘いものらしい」

「甘いもの!?」


 リヴァイの言葉を聞いた途端、ローズは目を輝かせた。
 その勢いに、リヴァイは咄嗟に「あ、あぁ」と頷いた。まさかここまで食いつくとは。


「あたし、甘いもの大好きなの!」

「知ってる」

「うふふ、そうよね。わぁ、甘いものって何かしら」


 見るからにワクワクとし始めたローズを見ながら、リヴァイは密かに心を決めた。

 必ずその“地上で流行っている甘いもの”を手に入れよう。
 そうしてローズをもっと喜ばせるのだ。

 
「絶対買ってくる。それで二人で食べよう」


 最近紅茶を手に入れたのだ。地上の飲み物で、高級品らしい。
 ローズも飲んだことがないはずだから、喜んでくれるはずだ。

 ローズと甘いものを食べる瞬間を想像してリヴァイはゆったりと微笑んだ。


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