第1章 片思いの彼に好きと言ってみた。
〜アイスバーグの場合〜
市長兼社長のアイスバーグさんは
私のなかで憧れの人であり、
そして誰よりも優先される、大好きな人。
「あの、社長!」
彼はうんと年上で、落ち着いていて優しい。
でも私のために怒ってくれるときだってある。
私はやっぱり子供でしかないのか、
たまになんとも言えない優しい顔で微笑んでくれる。
「ンマー、どうしたセリア。」
退職覚悟で言おう。
「好きです!」
私は目も見れずにうつむいたまま伝える。
「...困ったな。」
その言葉に私は、やっぱり迷惑だよなと思い、
謝るために顔を上げた、が、
「俺をそんなふうに
思ってくれてたとは思わなかった。
俺もずっと好きだった。」
とても顔の赤い社長がいた。
「社長、「ンマー、今は仕事中だ。
あとでゆっくり話そう。」」
そう言われて少し寂しいが
両思いなのが嬉しくて何度も頷いて
私は目の前の書類に視線を戻した。
「...ンマー、その、ありがとうな。大切にする。」
そう言われて反応する前に私はおでこに温もりを感じた。
「ッ!?!!!!」