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二人の航海者

第10章 二人の航海者


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ルリが二人の前で、新しく出来た千夜物語を読み終えた。これは、今目の前にいる【二人の航海者】に捧ぐ物語。彼等は今この瞬間から『千夜物語』の中で生き続け、後世まで語られる永遠の航海者になったのだ。

「では、誓いのキスを」
司の声で、かつてお姫様と王子様だった二人が向き合う。蒼音のヴェールを捲り、龍水がその唇にキスをした。ワアッ!!とゲスト達が盛り上がる。次の瞬間、蒼音を龍水がグイッ、とお姫様抱っこする。

「っ!?急に何するんだ、龍水!!」
龍水はゲスト達に自分達の姿を見せ付けた。

「はっはーーーっ!!!この俺、七海龍水が!世界でいちばん愛する女は!六道院蒼音は!!
今日から未来永劫に俺の嫁だ!!!!!」

嬉しそうに高笑いする龍水に、もう龍水は、と蒼音が笑った。皆がお祝いの言葉を述べる。式場の長椅子が、小分けの椅子に分離され丸テーブルが置かれた。レストラン・フランソワの料理がゲスト全員に振る舞われ。皆で夜まで自由に結婚式を楽しんだ。

こうして、新世界に新たなカップルが誕生した。
夏の日は巡る。少女は太陽の花に出逢う。
二人なら何処だって行けると手を繋いで——

共に一歩、踏み出した。
それは初めて二人で一緒に行く、新たな未知なる航海への最初の一歩であった。

ーFinー
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