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海軍日誌

第5章 ミニオン島へ



「あ"?」

自分でも驚く程の地を這うような低い声が出る。
本気なのか冗談なのかサングラスの奥の目は見えない。

「可愛くオネダリしてみろ。ちゃんよォ?」

「や、めろ…に…さわんな」

ロシナンテから息も絶え絶えではあるが、怒気を孕んだ抗議の声が聞こえてくる。

「んな大事なモンなら、仕舞っときゃよかったのになァ?こんな所に引っ張ってきちまってよ。俺はこのままコイツを攫うことも出来るんだぜ?」
「クソっ…」

睨み合う兄弟2人。
本人不在で話をしてるがの事だ。
は呆然と2人を眺める。

「私は、死ぬ程海賊が嫌い。」
「そうだな。そんな目だ」
「攫われるくらいなら今すぐ死ぬ。」

「……そいつは頂けねぇな」

ポイっと海軍コートの内側の胸ポケットから小さなメモ用紙をドフラミンゴに投げ渡す。

「…フフフ。今日は引いてやるよちゃんに免じてな。おいお前ら!行くぞ!!」

こうして、ドフラミンゴとの初の戦いは終わった。
引き分けと言えば聞こえはいいがの中では負けだ。

は、ドフラミンゴ達が丘を降りていくのを見送ってから、雪の上にごろりと寝転ぶ。

「あぁぁぁぁぁあ!!!!!くっそ!」

逃してしまった。
状況的に仕方ないと分かっていても、今まで対峙してきた海賊は捕まえてきた。

悔しかった。

「痛た…切り替えよう…ロシナンテ…生きてるよね?」
「あぁ…」
「少年は後ろの箱の中かな?」
「よく分かったな…」
「何年の付き合いだと思ってるのさ。」

上に乗った宝箱を下ろすと勢い良く下の段の宝箱が開いて、少年が飛び出してくる。

「コラさん!!!大丈夫か?血が!!」
「ロー…もう、大丈夫だ。」

思ったよりも幼い感じで少しびっくりする。
少年はロシナンテの体の怪我を見て青ざめてる。

「積もる話は後にしよう。ここもすぐ海軍が来るはず。少年は動けそうだね。」
「海軍!!」

私を見て、怯える顔になる。
海軍にトラウマでもあるのだろうか。
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