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海軍日誌

第5章 ミニオン島へ


「そんなにそいつが大事か?」

そいつとは、ロシナンテの事だろうか。
そういえばあんなに血を流して大丈夫だろうか。

「海賊と話す事なんか、ない!」
「強情だな。」

ドフラミンゴのニヤけた顔が近づいて来る。
ホント海賊なんてゲスばかりだ。
唇が触れそうなほど近付いた瞬間、私は思い切り顔を横にそらす。

おいそんな事する場面じゃねぇだろと毒ずく。どういう神経してんだコラ。

「フフフフフ、気の強い女は嫌いじゃねぇ。」
「…触るな」

動く左手で殴りつけようとして視界の端にチカチカと光が入った。
モールス信号だ。正直ホッとした。

「…時間切れ…お鶴中将だ」
「なに!?」

「軍艦2隻、監視船1隻。それとお鶴さん。」

「私はまだ戦える。」

左手に武装色の覇気を纏わせる。

「フフフフ、本当に気の強い女だな。そいつにゃもったいねぇ」

「いいからさっさと退けって…ば!!!」


武装色を纏わせた左手を振りかぶり、思い切り殴りつけると避けるようにすんなり体の上から離れる。

体勢を建て直して、痛みを堪えながら外れた右肩を治す。
ゴキリと嫌な音がする。

「おい、お前らこの島から逃げるぞ。お鶴はやべぇ。」
「いいのかドフィ!」
「ここでこいつと戦ってたらおれらの船が沈められちまう。おい海兵」
「…?」

「ロシナンテを始末するのは諦めるが、ローは渡せねぇな」
「ローってのは珀鉛病の?
…ローは渡せないって…私は、ロシナンテから死にかけてるって聞いてるけど。治せるの?」
「オペオペの実はローが食べた。アイツなら何れ自分で治せるだろ」
「…でも、だめ。渡せない。まだ病気治ってないし……私なら治るまで延命出来る。だからとりあえずここは引いて。」

ドフラミンゴがじっと私の顔を見てくる。
どうするか考えてるのだろう。

ロシナンテを見ると辛うじて意識はあるようで、背後に積まれた宝箱にもたれて私に何かを訴えるように見てくる。

「時間がねぇ、ここは引く…が、ただじゃ引けねぇな。」
「…なに。」

ちょいちょいと人差し指で笑んで弧を描く己の唇を指差す。
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