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海軍日誌

第5章 ミニオン島へ


海賊だ海軍だとウジウジ考えるよりも兎に角私はロシナンテを守りたい。力になりたい。

きっとこの檻の中心にいるのだろう。
能力者はおそらくドンキホーテ・ドフラミンゴだ。

私は、檻の中心に向かって走り出す。

檻の中心は丘の上の廃墟。
遠目で見てハッとする。

そこに居たのは銃をお互い構え向かい合う背の高い男2人。

1人は全身血まみれなのが遠くからでも確認できた。

すでに引き金に指がかかった状態な所まで確認して渾身の力を込めてロシナンテとドフラミンゴの間に割り込む。

─パァン
銃声が辺りに響いた。1発だけだ。

「っ〜!」
「!お前なんでここに。」

「…フフフ。ここで登場か。」

銃弾は左肩に直撃した。
直前に武装色の覇気がギリギリ間に合った。痛みはあるが弾は貫通することなく少し肩にめり込んだ所で止まっていた。

ほらやっぱり肝心な所で非情になれない。
お互いに銃を構えていたのに引き金を引いたのはドフラミンゴだけだ。

ズルズルと力が抜けて崩れ落ちるロシナンテ。
恐らく立っていることすらギリギリだったのだろう。
足元に積もる雪は赤く染っていた。
今すぐ駆け寄りたい衝動に駆られるか、まずは目の前の男をどうにかするしかない。

は肩にめり込んだ弾を取り出す。
血が少し出るがこのくらい痛くもない。
ロシナンテの体の傷や心の傷を想像すると自分の痛みなんか痛くもなんともないのだ。

どんな思いで自分の兄に銃を向けたのだろう…引き金を引けないくせに。ここまでボロボロにされても非情になれなかったのは何故なんだろうか。
チラリとロシナンテを見ると力く後ろの宝箱に体を預けているが、目は死んでおらずドフラミンゴを睨みつけている。


目の前で銃を構える男がサングラス越しに睨みをきかせてくる。

「フフフフ。まさかここで会えるとはなァ」

身体中に悪寒が走る。
口元は笑っているがサングラスの奥の目は笑っていない。
の嫌いなタイプの海賊のそれだ。

「…?私を知ってる?」
「フフフフフ。海軍本部准将だろ?」
「気安く名前を呼ぶな。」

「あいつ、若に舐めた口を。」
「やめとけ、お前らに敵うやつじゃねぇ。」

手を出そうと構える幹部を制止するのは、意外だった。
こういうヤツは仲間なんてゴミみたいにしか思っていなさそうなのに。
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