第6章 突然の転校生②
今日の朝から最悪だ。降ったり振らなかったりするジメジメとした空気と雨の中、いつものように学校へ登校した。
「おっはよ、殺せんせー!」
「おはようございます、藍奈さん、カルマくん。」
今日もまた転校生が来るらしい。この時期にこのクラス、うん。暗殺者だ。
「今度はどんなのが来るんだろうね?」
「さぁ?もしかして、その転校生くんのこと好きになったりしてね?」
私は曇った天気と気持ちが一致するかのように、あまりいい予感はしなかった。
「なにそれー!そんな事ないよ!」
ここまではいつも通り。問題はこれからだ。ホームルームが始まり、みんなは息を飲んで転校生を待ち構えた。だけど出てきたのは白装束の人だった。あれが、転校生…?
「いとなー!入ってきなさい!」
いとなと呼ばれた子は一瞬の間を付いて私とカルマくんの間、壁を破って入ってきた。
「えぇー!?!?」
クラスのみんなそう叫んだ。
(なんかまためんどくさいのがきやがった!)
殺せんせーの顔を見てみると真顔でもなく笑顔でもなく変な顔をしていた。
「堀部糸成だ。名前で呼んであげてください。」
でも、私は少しこの子に違和感を覚えた。
「ねぇ、いとなくん?いま外から入ってきたよね?」
「「外土砂降りの雨なのになんで(一滴たりとも)濡れてないの?」」
カルマくんもそう思ったらしい。