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月が欠けた日から…

第31章 卒業式~また君に会える日まで~


「ほんとうに、ほんとうに楽しい1年でした。皆さんに暗殺されて、先生は幸せです…」

渚はナイフを持ち替えて心臓にナイフを向けていた。だけど渚の手は私より震えていた。

「なぎさ…。」

なぎさを見ると体全体をふるわせていた。

「うわぁぁぁーっ!」

そう叫んでナイフを振り上げる姿に私は殺せんせーと同じタイミングで落ち着かせようと触っていた。

「そんな気持ちで殺しては行けません。落ち着いて、笑顔で。」

「なぎさ、落ち着いて、私が、いるじゃんっ…」

私はそこで涙を溢れさせて泣く渚の背中をゆっくり撫でた。

「そう、だよねっ…ごめんっ、…。」

私はなぎさと顔を見合せ私たちは門をくぐって帰る下校中の時の挨拶のようにただ、いつもと変わらない言葉で…

「「さようなら、殺せんせー」」

「はい、さようなら…」

私となぎさはそこでいつもと変わらない礼をするようにふたりで気持ちを、全部を込めてナイフを差し出した。その時だった。殺せんせーは"卒業おめでとう"そう聞こえたような気がした。

「ううっ…。殺せんせーっ…。」

私たちは蛍のように飛び交って月へと向かう殺せんせーを見てもう誰も我慢することはなかった。
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