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月が欠けた日から…

第30章 殺せんせーの最後の生徒


「ソニックブームだ。彼の初速はマッハ2をだす。最高瞬間速度はマッハ40。」

わたしはシロの話を聞きながらヨロヨロと立ち上がろうとするとカルマが手を貸してくれた。

「大丈夫?ほら、手つかんで。」

「あ、ありがと、カルマ…」

マッハ40で飛び舞う2代目死神…。これは危険すぎる、私たちはそう思った。

「要するに基本性能が倍ということ。2代目の超人的な動体視力と直感力は触手によって増加され、超音速の世界にも容易く順応した。素人の子どもと違ってあっという間に触手に慣れた。そこにいる初代がそうであったように」

その瞬間殺せんせーは死神によって吹き飛ばされてしまっていた。シロの話を聞いているだけでも私はこの人に怒りをも覚えた。

「そうやっていつも、他人ばかり傷つけて自分は安全なところから!」

「そう思うかね?」

そう言って取り出したシロの手にはなにかを持っていた。と、その時だった。自分の首に刺してしまった。

「まさか、それって…!」

「俺に死の覚悟がないと、そう思うのかね?」

みんなもやっと気づいたようだった。やっぱりあれは触手注射…。これからどうなるのかも分からずただ私たちは怯えることしか出来なかった。
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