第27章 あたりまえのことがあたりまえじゃないこと~バレンタイン~
そんな私もカルマにどう渡そうか偵察中にずっと考えていた。ずっと傍にいてくれるカルマ。好きな人といれることが当たり前となってる今の日常にどうやって渡せばいいんだろう。
「ただ問題は…あのゴシップタコに観察されんのは腹立つよねぇ。」
「その辺は任せといて。茅野ちゃん例のアレ持ってきてくれた?」
「え?あ、うん。」
「それ使えば殺せんせーの動きは封じれるはず。茅野ちゃんは思う存分チョコを渡しておいで。」
というわけで私とカルマとりおは影からコソッと応援隊へと変わった。2人がかえでちゃんに夢中な間に私はこっそり抜け出して森の木のそばで複雑な思いを描きながら座っていた。
(カルマが自分のこと見てくれないのって珍しいからなんか悲しい…)
私はちょっと泣きそうな顔で俯いているときだった。
「いたいた。やっと見つけた。帰ろー。」
「カルマ、見つけたー?」
私はいたたまれなくなってカバンを持ち出して一人で帰ろうとした。
「え、ちょっ、!?」
「かえる。」
そう言って走ってカルマを振りほどこうとしたが結局捕まってしまった。
「ねぇ、どうしたの?俺なんかした?」