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月が欠けた日から…

第23章 殺せんせーとカエデのこと


「先生の話は以上です。先生の教師としての死は雪村あぐり先生です。目の前の人をちゃんと見て、対等な人間として尊敬し一部分の弱さだけで人を判断しない。彼女からそういう教師の基礎を学びました。先生はそれに自らの知識、経験を足してみなさんと向き合う準備をしました。自分の能力の限りを尽くし、君たちに最高の成長をプレゼントする。そのためにはのどんなやり方がベストなのか。考えて考えてたどり着いたのが先生の残された命を使った暗殺教室です。」

30分かけて先生になった本当の理由を話してくれた殺せんせーはどこか吹っ切れた様な表情だった。だけどそこでふと私は思い出した。楽しかったことも腹が立ったことも全部含めた思い出が。

"この先生を殺さなくちゃならないんだ"

その事に気づいた私たちは何も言えずただその場に立ちつくすことしか出来なかった。

「さぁ!みなさん今日はもう帰りましょう。夜も遅いですし、帰り道は十分気をつけてくださいね。」

私たちは一言も言葉をかわさずにそれぞれの帰路へとついた。






気づいた頃には隣にカルマの寝顔があり、もう外は明るくなっていた。

「もう起きたの?早いね。」

「あ、カルマ…おはよ。」

頭の中にはまだ昨日のことが脳裏に焼き付いていたが今は楽しいことを考えようと思考を変えた。
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