第16章 戦いは体育祭で~恋のライバル?~
そう思ったのも一瞬。磯貝くんとイトナくんの連携プレーでイトナくんは宙高くに飛ばされたと思った時、A組の棒の1番上を重みで押さえ込み、それと同時にA組の棒は倒れた。
「E組の勝ちだー!!」
磯貝くんのその一言で私はハッとして我に返った。
「勝った…勝ったー!!」
「やったね!!」
そう言って私たち女子の見守り隊もハイタッチを交わし、E組の勝利を喜んでいた。そうして終わった体育祭も、結局はE組も片付けに加わり勝利の余韻を楽しんでいた。
「磯貝先輩!!かっこよかったです〜!」
そう聞こえてきたのは下級生からの黄色い声。
「にしても、あいつモテるのになんで私なんかを…」
「まぁまぁ、好きにさせたのは事実なんだし!」
「そうそう!やっぱマドンナは違うよねー!」
私は結局何言っても学年のマドンナがなんだといじられるだけのようだった。
「もー!陽菜乃に桃花ー!辞めてよー!」
ワチャワチャしながらも帰る時間になる頃に片付けは終わり、帰ろうとした時だった。
「ねぇ、ちょっとあれ見てよ。」
そう言われ後ろを振り返るとそこには5英傑、学秀もそこにいた。
「あ、浅野くんだ。」
私はその言葉に、みんなよりも早く学秀の元へと向かった。