第14章 再会してしまった
シオンが走っているとなんだか騒がしい集団がシオンと同じ方向へ走って来るのが見えた。
「なに…麦わらのルフィ!?」
驚いてしまいつい声が出た。
(それにローも!?なんで??)
バレないようにシオンは数時間前と同様、帽子を深く被る。
「ん?おーい、そこの海兵!危ねぇぞ〜。
どいてくれ〜!」
ルフィはコロシアムにいた黒い闘牛に乗って手を振る。
闘牛の周りにはコロシアムの出場者がわらわらとルフィを追いかけていた。
「ドフラミンゴを討つのは俺だ〜!」
「いや、僕だ!」
その不思議な光景を見たシオンは一瞬ポカンとした。
(なんで麦わらのルフィの周りにこんなに人が?)
考える余地もなく闘牛がシオンにぶつかりそうになった。
「うーしー!避けろ!じゃなきゃ止まれ!」
シオンが避けられないと思ったのかルフィは闘牛に指示をする。
闘牛もぶつかりたくないと首を横に振ったがずっと走ってた巨体が急ブレーキした所で簡単には止まらない。
(あ、これぶつかる…)
本能的に目を瞑った。
体が何かにグルグルと絞められ足が地面からふわりと浮かんだ。
「仕方ねぇ!」
(え、あれ?)
目を開けるとシオンの体はルフィの腕に巻き付かれて闘牛の上に来ていた。