第13章 自分にしか出来ないこと
一体、また一体と見計らっては穴に避難させた。
それがトンタッタ族の作戦の穴とも知らずに…
10体くらいを逃がし終えた時にまた、頭痛がした。
(こんな時に!?)
なんとか、記憶が飛ぶ前に船に上がり隠れることが出来た。
と思っていた。
「ねぇ…なんか、おもちゃ減ってない?」
「べへへ?気のせいじゃない?
減ってたとしても、シュガーの能力で増やせるから問題ないだろ?」
「そうだね…契約してたら逃げられないはずなのに。」
ぱくりとシュガーはぶどうを頬張った。
その頃、シオンは頭痛と戦っていた。
(お願い…収まって…!今はダメ)
頭を抑え、必死に記憶にすがろうとする。
「んね〜?なんでお前ここにいるの?」
ハッとして上を向いた。
「トレー…ボル…」
トレーボルがにやにやとシオンを上から見ていた。
(なんで?なんで?)
「べへへ」という声と共にベタベタな液体に絡められて引っ張りだされた。
「…うっ!」
床に落とされた衝撃の痛みで声が漏れる。