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記憶が亡くなる前に

第6章 元奴隷の少女と珀鉛病の少年


ドフラミンゴが船を出す前にコラソンはシオンを呼び出した。

「なに?」

【船を出ようと思う。】

「え…。なんで…。」

【ローの病気を治してもらうために。】

「……。それを私に言うの?」

【お前も、この船から降りろ。】

「行く宛てもないのに?どこで生きろって言うの。」

コラソンはサイレントを発動させる。
2人はたちまち防音壁に包まれた。
急に色々な音が聞こえなくなりシオンは驚いた。

「…音が聞こえなくなった…?
能力者だったの?」

「あぁ、俺はナギナギの実の能力者だ。
シオンは俺が海軍なのは知ってるだろ?」

「知ってるも何も…。」

コラソンは1つの電伝虫を取り出した。

「なに…。」

「この電話の相手は俺の上司だ。
もう、話はしてある。受け入れ態勢も出来てるそうだ。」

シオンは首を横に振った。

「私…行かない。」

「な…!?でも、俺は。」

シオンは俯いた。

「ロー…でしょ。
何を話していたのかは知らないけど。」

コラソンは黙った。
シオンはコラソンが何をしようとしてるのか何となく分かっていた。

「ローの病気を治したら必ず迎えに来るから。
そしたら3人で世界を旅しよう。
俺も海軍もこのファミリーも抜ける。」

コラソンは優しく頭を撫でようとした。
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