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記憶が亡くなる前に

第6章 元奴隷の少女と珀鉛病の少年


1年後
とある日のことだった。

ローとベビー5とバッファローとシオンは自分たちの本名を言い合っていた。

「私は…シオンってまんまだよ。コードネームでもなければ本名も知らない。」

「そうなんだ。」

「じゃあ次はローの番だすやん!」

ローは本名を教える言葉を拒んだ。
それでもベビー5とバッファローがしつこく迫るためため息を漏らした。

「トラファルガー・D・ワーテル・ロー」

「ワーテル?」

「D?」

シオンとベビー5はキョトンとした。

「Dは隠し名、ワーテルは忌み名だよ。」

「なんだぁ、つまんないのー」

ベビー5がぶーっと頬を膨らました。

「お前らがしつこく聞いてきたよな!」

ローはベビー5をじっと睨んだ。
ベビー5はその威圧に涙を流す。

「隠し名と忌み名があるんだ…。」

シオンは不思議そうにその名前を繰り返し呟いた。

そこへコラソンが勢いよく歩いてローを連れて行ってしまった。
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