第6章 元奴隷の少女と珀鉛病の少年
その日の夜、コラソンは用があると言い1人拠点を出ていく。
【すぐ戻る。】
その紙だけを置いて行った。
シオンはどこになんの用があるのか何となく察していた。
コラソンを見送ってから戻るとローがドアの前で立っていた。
「なぁ?あいつどこ行くんだ?」
シオンは首を傾げる。
「…知らないのか?」
こくんと頷き口を開いた。
「私にも教えてくれない。」
「お前にも?」
「でもちゃんと戻るから大丈夫。」
ローはじっとシオンを見つめた。
「気になるの?」
「いや…そうじゃねぇけど。」
「そう。」
そう言うとシオンはローの横を通り過ぎて自分の寝床についた。
ローも同じく自分の寝床へと向かった。