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記憶が亡くなる前に

第4章 珀鉛病の少年


ベビー5達が拠点に入って数分後。
拠点から何かが降ってきた。
大きな音を立てて落ちてきたのは先程の男の子だった。

シオンは特別驚きもしなかった。

(また、投げたんだね)

コラソンのやり方はちょっと乱暴だが子どもを追い出そうとしているのが分かった。
男の子は世界に絶望したような目だった。

「大丈夫…?」

「は?」

シオンは手を差し出した。

「立てる?」

男の子はじっとシオンを見たが自分で立ち上がりホコリをはたいた。

「別に手助けなんていらねぇ。」

「そっか。」







それが2人の初めての出会いだった。
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