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記憶が亡くなる前に

第4章 珀鉛病の少年


ドンキホーテファミリーに拾われてから1年くらい経った頃だった。
いつものように過ごしていると遠くから爆弾を身にまきつけた帽子を被った男の子が拠点へ入っていくのがみえた。

(あの子なにしに?)

シオンは声をかけようか悩んだが、拠点にはトレーボルとディアマンテがいるから声かけるのをやめた。

ふと、足音に気がつき後ろを振り返るとコラソンが帰ってくるのが見えた。

「おかえりなさい。コラさん。」

コラソンは頷き、シオンの頭に触れる。
その後ろからベビー5達がいつもムスッとしていた。

「なんでいつもシオンだけには優しいの?
あたしたちなんか、殴られるし蹴られるし!」

「子どもがきらいなはずなのにね!」

ベビー5とバッファローはシオンをじーっと見つめた。

「わ、私に聞かれても…。」

シオンは困って俯いた。

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