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sunflower

第8章 日常


        ー安室sideー
恋バナに花を咲かせていた3人。やはり女性だ話が二転三転と変わり降谷の妻、カホの話になった。そんな話題を気にならないわけがない降谷。カホが質問攻めにあい、助け舟を出すかのようにサービスのプリンを提供した。
「ぼくも気になります。」
笑顔で答えたが内心ビクビクしていた。日頃から仕事のためとはいえカホに冷たく当たり、自分のことをよく話さない自分に彼女はどう思っているのだろう。ほんとは直接本音は聞きたいがそれは無理だ。降谷は安室の仮面を被り彼女の本名を聞くことにした。
『あの人はサイテー』 『もう離婚したいんですよね、』など言われるのではないか、臆病な自分を必死で隠した。

「主人とはお見合い結婚なのでよく彼のことはわからなくて...」結婚した時約束した自分のことは他人に話さない。どんなに冷たくあしらうこんな最低な自分にもカホは約束を守ってくれていたのだ。降谷の胸中は罪悪感っていっぱいだった。
「じゃあ結婚を決めた動機ってなに?」 
自分が聞きたかったことを代弁してくれるようだった。
カホは頬を赤がらめ人差し指で頬撫でながら
「わたしの一目惚れかな...」
「っ!!」
その愛おしさから降谷は頬を赤くなっていないか心配になった。
周りからの冷やかす声が聞こえるがそんなの耳に入らない。今2人だけの空間に生きているようだった。ーー
「あとは?あとは?」
「そうね..彼は無口で何も喋らないけどとても優しい人よこんなダメな私にもね」
顔を俯き加減で困ったように笑うカホ。場の空気が変わった。
「え?どういうことですか?」
「彼をいつも怒られてばかりいるの」
ーちがう、ちがうんだカホ俺がもっと君を守れるぐらいに強くなっていればこんな偽りの結婚なんてする必要がなかった。弱い俺を許してくれカホ。ーーそんな思いが届くはずもない。
「きっとこの結婚も父に無理矢理仕組まれた結婚よ」
「どうしてそんなことがわかるんですか?」
「彼にはきっと好きな人がいるのよ。」
「っ!」
そんなはずはない降谷が好きなのは目の前にあるカホだけなのだから。
「いつも香水をただよらせて帰ってくるから...」
香水の匂いは間違いではないただベルモットとは仕事のパートナーだ。
そんな辛い思いをカホに1人背負わせているのだと感じそこに立ち尽くす安室だった。
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