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sunflower

第5章 肩書きだけの結婚


多忙な仕事で疲れ気力のない降谷、そんな彼の1日の疲れを癒す存在になっているのはカホだった。
ガチャ、玄関の扉を開けまず目に映ったのは笑顔で迎えてくれる妻カホだった。
「おかえりなさい、降谷さんお疲れ様です。」
優しい笑みを向けるカホ。そんな彼女を思わず腕の中に収めたくなる衝動にかかる、そんな自分を戒める為、思ってもない発言をしてしまう。
「最初にも言ってあるが出迎えはいいそう言ったはずだが?」
ネクタイを緩めながら煩わしい視線を彼女に向けた。
降谷が彼女にとったひどい行動はこれが初めてではない。なんとか自分の理性を保とうとすると彼女に当たってしまう。
そんな降谷を余所にカホはいつも笑っていた。どんなに冷たく接しようとカホは変わらず降谷を好いていた。そんな気持ちを降谷は感じ取っていた。
「すいません。たまたま目が覚めてしまって、ご飯冷蔵庫にあるもの温め直して召し上がってくださいねおやすみなさい」
カホは自室に戻った
カホの作った手料理は栄養バランスもしっかり考えられておりなにより美味しい。 最初は箱入り娘で何もできないだろうと予想していた降谷だったがそれは全くの誤算。掃除も毎日欠かさず行い、料理も手際よく調理する。相手の為とはいえこんなに完璧にこなしてくれるカホに愛しさが芽生えてくるのにもそう時間がかからなかった。 
「カホっ、俺は君のことを好きだと伝えられたらどれだけ楽だろう....」
1人呟いた言葉が広い部屋に消えていった
一方カホもあれだけ酷いことを言われ続けているが降谷への気持ちを抑えることは出来なかった。それにあの時カホは降谷に話した思い出話をあっけなく否定したが、カホは信じていない。降谷をあの時の彼だと信じて。ーーーーー
「またれいさんを怒らせちゃった...。」
『わたしは彼のことが好きだけど、きっと彼は違う....』
伝う涙が枕を濡らした
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