第3章 縁談
「え、?」
「実は僕上から早く身を固めろとうるさく言われていてあなたもお見合い相手を探しているようでしたので話が早い方が助かると思い縁談に応じたんです」
きっぱりと何食わぬ顔で淡々と話す降谷。そんな降谷に動揺隠せずにいたカホ。
「あ、それと僕は仕事人間なのでこの結婚には愛はありませんよ。あくまでもこの結婚は肩書きだけですから。」
勿論これも策略の一つである。しかし降谷の心は罪悪感でいっぱいだったーー
『すまない、カホきみを守るための嘘なんだどうかほんとの俺を嫌いにならないでくれ、』
カホは動揺を隠さずにいた
『どういうこと?あの時の優しいれいくんじゃない、、』
次第に自信がなるなり始めた。
『そうだよね、、れいくんは上司の方からしつこく"結婚"って言われてこの縁談を受けたんだから相手は誰でもよかったんだ。あたしなんかが、何を舞い上がっていたんだろう、、でも少しでもれいくんの役に立つのならあたしはそれでもいい!れいくんにもし好きな人ができたら身を引こう、、!』
涙が浮かびそうになったが必死でそれを堪え降谷に向き合った。
「私は元からこの縁談をお断りするつもりはありませんでした。あの、不束者ですがよろしくお願いします。」
優しい微笑を浮かべた。そんな返事を返してくるとは思っても見なかったので内心降谷も驚いていた。しかしポーカーフェイスを気取り、
「それじゃあ契約成立で。」