第6章 好きな人。
『・・・・寝てる、、』
ラグの上でパンダ君が大の字で寝ていて、そんなパンダ君の両脇には狗巻君と悠仁君が頭を乗せスヤスヤと寝息をたてていた。
『フフッ、、』
何か、可愛いかも…
パンダ君、フサフサだし気持ち良いんだろうな。
仲良く眠る3人の姿に思わず顔が綻ぶ。
その時、ガチャとドアが開く音がして振りむくと、恵君が入ってきた。
「あ、戻って来てたんすね。すいません、勝手に。」
『ううん。皆、寝ちゃったんだね(笑)
あ、、毛布?』
どうやら部屋に毛布を取りに行ってたようだ。
「さすがに3人は運べないんで、、先生来るまで寝かせといても大丈夫ですか?」
『うん、もちろん。』
恵君は持ってきた毛布を3人に掛けるけど、見事に全員足が飛び出している。
『フフッ、さすがに一枚じゃ足りないよ』
思わず吹き出して笑うと、恵君はフイッとそっぽを向き頭を掻いた。
「・・良いんですよ//パンダ先輩の毛皮に埋もれてんだから寒くないでしょ。」
『恵君て意外と世話焼きだよね?
毛布もだけど、ここの片付けも全部恵君がやってくれたんでしょ?』
シャワーに行く前はグラスやお菓子の袋がテーブルに並んで散らかっていたのに、すっかり綺麗になっている。
「まぁ…。さすがにあの状態で帰るのは申し訳無かったんで…。」
『フフッ、ありがとう。
そうだ、憂太君の部屋に布団余ってると思うからちょっと見てくるね。』
「・・はい。」
パタン。
「・・・・なんか、、シャンプーの良い匂いしたな。」
閉まったドアの方を見ながら恵が呟いた。