第6章 好きな人。
ニカッと人懐っこい笑顔で平然と話す悠仁を前に、心穏やかでは無い人物が1人…
恵の表情は曇り、眉間には深いシワが刻まれている。
そしてこの何とも微妙な空気を破ったのは、
「ちょちょちょっとーーーー‼︎‼︎あんた何公開告白しちゃってんの⁈⁈一体どーゆー神経しちゃってんのよ⁇⁇
ちゃん困ってるでしょーがぁーー‼︎」
赤い顔で俯く私を指差しながら、野薔薇ちゃんが悠仁君の胸ぐらを掴み、揺すっている。
「えぇーー⁈俺素直に質問に答えただけじゃんっ⁉︎
オェッ!タ、、タスケテ、、パンダ先輩、、!」
「まぁ〜驚いたが馬鹿正直に答える所が悠仁らしいなっ?」
「しゃけしゃけ。」
「つーか恵、何だよ1人だけ怖ー顔して。」
何か思い詰めたような表情をしていた恵君が静かに口を開いた。
「・・・さんと乙骨先輩てどういう関係なんスか?」
『え、、、?』
わちゃわちゃしていた場の空気が一瞬で静まりかえった。
ーーー何で、、憂太君の名前が、、、、
固まった私を見て悠仁君が首を捻る。
「乙骨先輩って確か海外に行ってる2年生だよね?・・・えっ?さん付き合ってんのっ⁈⁈」