第6章 好きな人。
「つーか悠仁の顔、もう書くとこねーじゃん。」
「悠仁、頼むからこっち見るな。笑い過ぎて腹が痛い。」
すでに悠仁君1人だけ、ギャグ漫画のような顔面になってしまってい
た。
「何だよ〜皆んな色々描き過ぎなんだよー‼︎
あっ!つーか俺も語尾にニャン付けるやつで良くない⁈」
「・・・キモ。」「キモッ‼︎」「却下だな。」
「ちょっ、酷くないっ⁇」
「じゃあ悠仁には1位の俺からの質問に答えてもらうってのはどーだ⁇」
「えっ?パンダ先輩の質問に答えるだけでいーの?いーよいーよー!何でも答えるし!」
パンダ君はニンマリ。と意味深な笑みを浮かべた。
「ーーー悠仁の好きな人ってだ〜れ〜⁇」
パンダ君の質問に全員の視線が一斉に悠仁君に向けられる。
悠仁君は何か考えるように斜め上に目線を向け、頬のあたりをポリポリと掻いた。
「好きな人⁇んーー…好きな人かぁ…」
そしてちょうど向かいに座る私と目が合うと僅かに首を傾けた。
「さん、、かな?」
「「・・・・・。」」
『・・・・・わ、私⁇』
思いもよらない答えに私は目を丸くした。
「あっ、困らせちゃったらゴメン!
でも、好きな人って考えた時、思いついたのがさんだったんだよね。それってそーゆー事でしょ?」
あまりにも直球に気持ちを伝えられ、恥ずかしさで顔が真っ赤になる。
こんな風に言われたのは生まれて始めてだ…。