第6章 好きな人。
全員分のジュースを注ぎ終わると同時、任務に出ていた恵君が帰ってきた。
「伏黒〜!グッドタイミング〜〜‼︎」
「恵、お疲れー。」「高菜〜。」
「恵にしちゃ随分時間かかったじゃねーか。
手こずったのか?」
「いえ…任務は割と早く片付いたんで、姉貴んとこ寄って来ました。」
「・・そうか。状況は?変わらずか?」
「はい…。」
恵君のお姉さん。
数年前に呪いに当てられてからずっと意識が戻らない、という話は野薔薇ちゃんから聞いていた。
『恵君、お疲れ様。コーラでいいかな?』
何となく、恵君がいつもより元気がないように見えて、私は明るく声を掛けた。
「・・うす。」
『すぐ用意するから座っててね。』
恵君とは、一緒に任務を受けてから、だいぶ打ち解ける事が出来た。
それまで冷たかった態度も若干柔らかくなったような気がする。
「じゃ、伏黒も来て揃った事だし乾杯しましょー!ほらっ虎杖、あんた音頭とんなさいよっ‼︎」
「おうっ!あれ?つーか五条先生はいーの?」
「ほっとけよー、どーせそのうち来んだろ?」
「しゃけしゃけ。」
「そっか、じゃー腹も減ったし始めちゃいますか⁉︎
んじゃ乾杯っ‼︎」
「「かんぱ〜い‼︎」」
カシャンとグラスが音を立て、賑やかな夜が始まった。