その力、分けて貰えませんか?【ワンピース】【ロー】
第3章 cuteとcool
「よし、十分離れたな。それじゃあラナを呼ぶぞ。」
「あぁ。頼む。」
一方その頃、ラナは異変に気づいていた。
「…ククがいない!?それに、船が出航してる…なんだか嫌な予感がする。…っ、うわぁっ!?」
ラナは地面に吸い込まれていってしまった。
さて、こちらは船内。
ぬるりっ、と船内にラナが現れた。
「…クク!よかった、無事だった、んだ、…………ロー。」
「…ハァ、逃げてくれやがって。手間を取らせるな。……だが、あれは俺が悪かった。冗談にしては、言い方がキツかったな。すまなかった______。」
「……ロー。こちらこそ、ごめん。」
「後、聞きたい事がある。………部屋に来い。」
「え、あ、はい。」
ローがいう部屋とは、勿論船長室の事だろう。
聞かれたくない事なのか、人払いをする代わりに私を密室に連れ込んだ。
「なぁ、うさぎ屋。…思い出した事があったんだ。」
「…何?」
「お前は…『えるふ』、だな?」
「っ!!」
「本で見た事があったんだ、その耳。えるふ…いや、エルフか。『エルフは、耳が長く、長命である森の守護者。だが、その者達は一種のただの人間で、森で狩りをしていた過去からの習性で弓の扱いが上手い事以外は特に特徴はない』…とかなんとか。そうだな?」
「…。」
「だが、まぐれかもしれないが…銀髪のエルフの図は何故か無かったんだ。お前は、何か隠しているのか?隠さなければ、生きていけないほどに。命の恩人である俺達にもエルフである事を明かしていないんだ、それなりの秘密ではあるんだろ。」
「…ローはさ。」
「何だ。」
「ローは、エルフの…『禁忌の銀髪』って聞いた事ある?」
「いや、無い。」
「そう。なら教えてあげるよ。私が、エルフじゃない、ってずっと隠してた理由。」