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日の守護者【鬼滅の刃】

第8章 異変


その後、名前は炭治郎に連れられて胡蝶しのぶの元へ来ていた。

名前は何度も大丈夫だと言ったが、炭治郎はそれを許さなかった。
観念したのかしのぶの診察室で隊服を脱ぎ腕捲りをする名前は小さくため息を吐いた。



「この間より広がってますね」



しのぶが傷口を見ながら言う。
それは名前が一番良く分かっていた。


そして、今はどうする事も出来ないという事も。





「痛みは今は大丈夫ですか?」
『今は無いです。こう、広がる時に痛むんだと思います……』




そう言うと腕を下げ隊服を着直す名前をしのぶは心配そうに見つめた。




「名前さん、その傷を治す方法ですが、おそらくその鬼を倒さなければ治らないと思います」
『俺もそうだと感じてます』



しのぶに言われ、微かに希望を持っていた自然に治る可能性が無くなったと名前は顔を俯かせた。




ーー



「あ、名前さん……大丈夫でしたか」


しのぶの部屋を出ると炭治郎が待っていてくれた。
名前は小さく頷く。



『塗り薬を貰ったから大丈夫だよ』



しのぶは名前に気休めではあるが藤の花から作った塗り薬を持たせていた。
小さな丸い入れ物に入った薬を見ると、炭治郎は少し安心したような顔になった。



『炭治郎、ありがとう。今日はもう帰るとするよ』
「そうですね、ゆっくり休んでください」



炭治郎の優しさに名前は穏やかに笑った。
蝶屋敷で療養している炭治郎は名前に一礼をすると部屋へと戻って行く。
その姿を見送ると名前は蝶屋敷から自邸へと帰ることにした。





ーー




『……宇髄さん?』




蝶屋敷の玄関を出た所で、名前は知る影を見つけた。


音柱の宇髄天元だ。


外壁の屋根の上で何かを考えているような表情で、名前と目が会った。



「うむ、名前がいいだろう」
『え、なんですか』
「着いて来い」
『いやだからなんなんですか』


状況が掴めないまま、宇髄は名前に着いてくるように言い姿を消した。



『……追うしかないか』


名前は一瞬呆けていたが、はぁとため息をついて宇髄を追うように姿を消した。
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