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日の守護者【鬼滅の刃】

第8章 異変


壱の型、暁の虚空。
目にも止まらぬ速さで刀を振り切りながら鬼の首を斬る事が出来る。

弐の型、彼岸花。
空中で舞うように旋回し威力を増幅させ攻撃する。


ここまでは見た事がある。
下弦の陸と、上弦の参との戦いにおいて。


『参の型は天の干天という。突き技だ』


そう言うと名前はその場から跳び、炭治郎に向かって刀を突き出す。
炭治郎は攻撃を受け流すも、その威力に唖然とした。
周りの地面が大きく陥没している。
威力は計り知れない。


そして、全ての技に共通するもの。
それは全てが静かで美しいということ。


名前が天の呼吸を使う時、音が消える。
周りの音を吸収するかのような技。


青い炎はヒノカミ神楽と似ているが、対称的であった。


「綺麗ですね」
『日の呼吸が「動」だとしたら天の呼吸は「静」……父さんが昔言っていた。音を無くせと』


呼吸をする時も、確かにほとんど音がしなかった。


『……大丈夫?』


ふと名前が炭治郎を見ると、名前の攻撃を受けて疲労が溜まってきている炭治郎は汗を拭っていた。
まだ傷も完治はしていないため、少々無理をさせたようだ。



『型を受けてもらった方が分かりやすいと思ったんだけど、炭治郎の体が心配だ。次からは型だけ見せるよ』




名前が言うと炭治郎はすいません、と小さく謝った。
気にしなくていいよと声をかけた名前は肆の型を見せようと刀を構える。



ところが。


『っ……』


からん、と名前の刀が手からすり抜け、地面に落ちる。
名前は右手に激痛が走り、思わず腕を抱えて蹲った。


「……名前さん!?」


炭治郎が名前に近寄る。
名前は顔を上げようとするが、腕の痛みでそれどころではなかった。

斬られるより鋭い痛み。
汗か滲む。


「大丈夫ですか!?どうしたんですか……!?」


炭治郎には何が起こったか分からなかった。
名前は右手の隊服を捲りあげた。


「な、なんですかこれ……」


名前の右腕のヒビのような傷が広がっていた。
そして、そこから出血していた。

炭治郎は手を口に当てながら絶句した。


『血鬼術だよ……強い呪いのようなね』


名前が炭治郎に小さく呟いた。
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