第11章 ☆ お披露目 * ロー視点 ☆ ② ☆
「まぁその時はどっかに行くよ…人がいたら寝れないのは、私も一緒だからね」
女は顔を上に向けて呟くそうに言った
ロー)「…」
「入っちゃいけない部屋とかあったら教えてよ。ってか説明するって言ってた荷物説明しようか?お兄さんがすることなくて暇ならだけど」
女はそう言って上げてた顔をこっちに向けベッドの上で胡座をかいた
俺は女のボロボロになった服を見て立ち上がり棚を漁った
確かここに小さくなって着なくなった服があったはず
破られるならこっちを渡せば良かったな
ロー)「おい。これ着てろ」
「ん?」
そう言って棚から取り出した服を女に投げた
女は顔面で受け取った
「うべっ。もうまたー!投げないでって言ったのに!」
ロー)「うるせぇし言われてねぇ。さっさと着ろ」
「あれー?言わなかったかなー?」
そう言って女はブツブツ何か言いながらこちらに背を向け服を脱ぎ出した
服の下の包帯が少し赤くなっていた
ロー)「…お前、背中の傷、まだ痛むか?」
「え?背中?あぁ。最初の傷か」
服を脱いで女は思い出したように言った
「痛いかって言われたら痛いけど。あっちではこれが普通だったって言うか。怪我があっても任務が入ったら行かないといけなかったからねぇ。まぁ、あっちには医療忍術が使える人達がいたからさー」
ロー)「…そのまま待ってろ。痛み止めを塗ってやる」
「え、優し」
ロー)「…」
「…」
俺は女を睨めば…女は俺から視線を外した
自然とため息が零れる
ロー)「…そのままそこにいろ。部屋も漁るなよ」
「分かってるよー」
笑顔で返事した女に俺は若干の不安はあったものの医務室に向かう事にした
包帯の替えと痛み止めの薬、一応飲み薬も持って行こう
あの顔は碌に寝れてないのだろう
…それが普通なのかは知らないが