第16章 ★ 手合わせ * 夢主視点 ★ ③ ★
イッカク)「タイムアップ!」
イッカクの声に力が抜けて
私は壁に背を預けたまま腰を落とした
痛すぎてやばいけどローの顔がムカつく
ムカつくからむくれてしまう
「むぅ!悔しい!」
ロー)「ふっ、俺の勝ちだ」
「まじで悔しい!なんでベポがあそこに。ルール違反だ!」
ロー)「俺はルールに従ったぞ」
「は、嘘?」
ロー)「お前が俺と始める前に言ってたルールは時間と場所、忍術や能力を使わない。後は勝敗と報酬だ。協力してはいけないなんてなかった。お前が勝手に1対1にしたんだ」
え、そうだっけ?
「で、でも!普通話的に1対1だと思うでしょ!」
ロー)「なら言っとくべきだったな」
確かに1対1だと言った覚えがないが
揚げ足を取られた気分だ
それにこれが修行なら間違えてない
けど認めたくない
「…まじで悔しい。やばい。久しぶりに悔しい」
ローはクナイを抜いて私に手を差し出した
私は一瞬差し出された手を睨んでしまったが
むくれたまま差し出された手を握って立ち上がった
立ち上がった時、背中に痛みが走った
「っ…ぃって…」
私は思ったより痛すぎて顔を歪めてローに寄りかかってしまった
背中痛すぎる
ロー)「悪かったな。後で見てやる」
「…当たり前だ!めっちゃ力いっぱい蹴り飛ばしやがって!」
ロー)「まぁ。本気だったからな」
「くそー。修行し直そう。まじで悔しい」
…くそー…私のご飯…