第12章 油断
どれ程の時間が経ったのだろうか……
私の意識は、ずっと暗い暗い闇の中に浮いてる。
このまま沈んで行けば、何もかも忘れられるのかなぁ……
ーー!
……
ーー!ーー!
誰かが私を呼んでる…?
ーー!ー桜!おい!桜!
あれ…この声……
私はふっと眠りから覚めた。
キ「桜!良かった!大丈夫か!凄い魘されてたぞ!」
私はぼーとしたまま戻らない意識に目の前にいるキヨが本物なのかよく分からなかった。
『キヨ……何でここに居るの……? 』
キ「ヨシヤに頼まれた。それより大丈夫か桜?取り敢えず熱測らせて?」
そう言いながら私を軽く起こし熱を測る。
キ「39℃8!高すぎだろ!すぐ薬飲め!」
水と薬を渡され支えられながら薬を飲む。
キ「……桜。こんな時に聞くのも何だけど、彼氏居るの……?」
『ふぇ?居た事ないけど、何で……?』
私を支えているキヨの手が少し力が入り
キ「だってこれキスマークでしょ…?」
空いている手が私の首元をなぞる。
『っ!これはっ!』
熱で意識が朦朧としているのと、この間の事と夢を思い出し一気に熱が身体中を駆け巡る。
キ「こんなに見える位置に付けられて、彼氏いませんって説得力なくね?」
更に首元を長い指がなぞる。