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狗神刑部!

第1章 第一篇


「なぁ、ミトリ今日が何の日かくらいミーハーなお前なら知ってるだろ?」
「知ってるけどチョコなら上げない」
「何でだよぉー」
「何ででも」
2月は14日、も終わろうとしている。
殺風景なミトリの部屋、ベッドに座るミトリとすぐ隣にぴったりとくっつきバレンタインチョコをねだる大柄の男。隠した左目と逆立った銀髪が特徴的なはたけカカシである。
しかし、ミトリはチョコを渡す気はそうそうないようで、軽くあしらった。
「うぬ…」
唸るカカシだがミトリは全く気にした様子がない。
「なぁあ~」
「だーっ!うるっさい!今俺は仕事中だ、後にしろ!」
いつまでも騒ぐカカシに一喝。再び報告書に目を通したミトリ。
「うー、報告書なんてもういいじゃねーかー」
「よかねぇ、火影様にどやされるのは俺なんだぞ」
カカシの方をちらとも見ずに報告書に目を通しながらため息を吐く。自分だってかまいたくて仕方ないのだ、にもかかわらず自分だけが構って欲しいかのようにふるまうカカシに腹が立ってしたない。
イライラしながら報告書の束をぺらぺらとめくって行く、常人なら読み取れない速さだがミトリには関係無い。動体視力の恐ろしくすぐれたミトリは機関銃の弾丸でさえ止まったように見えるのだ。そんなことはさて置き、カカシである。ミトリがキレる寸前なことに全く気付いていない。
なーなーなーなーといつまでも、ミトリの頬をつついたり上着を脱がそうとしたりと相手がイライラして仕方ないと思われる行動を幾度となく重ねていく。
「だーっ!もうお前はっ!!」
耐えかねたミトリが大きく口を開きカカシを怒鳴る。それと同時にカカシは待ってましたと言わんばかりにベッドにミトリを押し倒し、驚きのあまり閉じ切らないミトリの口に舌をねじ込んだ。
「んぅーっ!?」
いきなりの事にプラスして口にねじ込まれた異物の所為でまともに思考が廻らない。目も見開いては顔をゆがませるばかりか、見開いた眼が段々と細くなっていく。
当のカカシはといえば、まるで好物でも貪る様にミトリの唇をむさぼっていく。普段は布で覆われている顔の下半分があらわになり、ミトリの惚れた顔が目の前に迫った。
惚れた弱みといおうか、思考がまともにめぐる様になって抵抗することができる、その上仕事をしなければならないこの状況でもカカシの好きなようにさせてしまっているのだ。
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