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いろいろ詰め合わせ(短編)

第6章 新しい恋(二口堅治)


香澄side


手を引かれ、二口くんの上の体操服が渡される


「え、?」

「着とけ」

「いや、いいよ!」

「透けてんだよ、!」


ずっとそっぽを向いて、体操服を差し出す彼に言われ、自分の半袖の体操服を見ると、白の生地の下からわたしの下着の色が見える


バッ!と腕で隠し、一気に恥ずかしさが襲う


「ご、ごめ、!」


「だから、着とけ」


「う、うん、、ありがと、」


助けてくれたこと、人がいないところへ連れ出してくれたことでさらにキュンと鳴る


いっそ、、言ってしまおうか、そんな思いがよぎる




(いや、でも本当に失恋したところに、そんなのずるい、、
いやでも、、二口くんが、私のことを好きになってくれるかも、)




隠れながらそっと着替える
ぐるぐると考えが回り、どうしたらいいのかわからなくなる




ふぅ、と一息ついて、二口くんがいるところへ戻る



「服、、ありがとう、、
今度、洗って返すね、?」



恥ずかしい思いで、下に向けていた目線を二口くんに向けると、少し赤い顔をして目を見開いて私をみている



「二口くん、?」


「あ、いや、、あ、ああ、気をつけろよ」


顔を背け、みんなの元へ戻ろうと足をすすめる二口くん


「まって、!」


思わず呼び止めてしまう私


「なんだよ、」

「あ、あの、、わたし、、」


私の雰囲気でなんとなく察した様子の二口くん


「二口くんのこと、、す「言うな」」


「え、?」


「まだ、言うな、、」


「ど、どういう、、」


思い切って告白しようとしたのに、止められた
予想外の出来事に驚きが隠せない


「今、言われても困る、、
俺だって、お前への気持ちに対してすごく混乱してるから、、」


「え、??」


思わぬ言葉に、耳を疑う


「昨日、告ってフラれて、、でも菊川と今日話して元気出て、、なんかよくわかんねぇ、、
でも今はまだ、お前の気持ちには応えられない」



応えられない、という言葉が、心にドシンと重く響く


(フラれた、、)


そう思い、泣き出しそうになるのを我慢する



「ちゃんと、整理して俺から言うから」




「え?」


また予想もしない言葉に驚く


「待ってろ」


そう言って、行くぞ、とみんなの元へ向かっていった



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