第6章 新しい恋(二口堅治)
二口side
「ごめん、、二口のことそんな風に見たことなくて、、」
(知ってる、、)
「わたし、好きな人がいて、、それで、」
(それも、知ってる、、)
「ごめんね、」
そう言って、この場から立ち去るそいつ
(なんでお前が泣きそうな顔すんだよ、)
上を見上げ、月を睨む
(じゃあな、俺の初恋、)
しばらく、そこから動けずに座り込む
「明日の遠足、めんどくせーな、、」
ボソッとつぶやいた言葉は、暗闇に消え、さらに孤独感を感じさせる
♪〜
静寂を破るように携帯が鳴り、通知を確認すると
『夜更かしして寝坊したらダメだよ!』
バッテンをする今流行りのキャラクターのスタンプと共に送られてきたメッセージの主は菊川
落ち込んでいたにも関わらず、今日のテスト後の菊川の顔を思い出し、少し笑ってしまう
『うっせー、ぶす』
そう送り返し、ふぅ、と一息ついて
(ちょっとだけ、楽しみだな、遠足)
ショックな気持ちはまだ消えないが、少しだけ沈んだ気持ちが浮いたのを感じ、家に帰った