第6章 新しい恋(二口堅治)
香澄side
あまりにも長い沈黙に、半ばあきらめた、そのとき、、
「フラれた」
「え、?」
「だから、フラれた」
ちらっと一瞬だけ目線をこちらに向け、すぐ外を見る二口くん
「そうなんだ、、」
(悲しいような、うれしいような、、、すごく複雑だ)
一人で複雑な感情に揺れて、しかめっ面をしていると
「ぶっ、!お、おまえなんちゅう顔だよ!ぶっす、、!」
クククク、と肩を揺らしながら笑う二口くん
「俺が落ち込んでんのに、なんで菊川までそんな感じになるんだよ、!」
まだ笑う二口くんに、なぜか少し安心するわたし
「ちょっと、元気になった、?」
そう言いながら、彼の顔を覗き込む
彼は少し目を見開いて
「う、うっせ、!」
と言って、またまた顔を窓のほうに向けてしまった
「変な二口くん」
「じゃあ菊川は変な顔だな」
「うるさいな~、遠回しにぶすって言ってるでしょそれ」
「え、お前、実は天才、?」
「お、おちょくって〜、、」
いつの間にか、少し元気になった二口くんと楽しく話をしながら、残りのバスの時間を過ごした