第5章 年上彼女(上鳴電気)
上鳴side
予想していなかった彼女の姿に、驚きを隠せなかった
ちら、と横を見ると髪型や化粧でいつもより大人っぽくて、色っぽい彼女
さっき、人混みに飲まれそうになっている彼女の手をつかみ、そのまま手を繋いでいる
(手もちっこいな、、)
人混みを抜け、芝生のところで花火を見る場所を探していると、いきなり手を振り解かれる
「え、香澄、?」
と彼女を見ると、目線の先には仲良さげな男女
(あ、あいつが彼氏か?)
色々とすぐに察し、背中に彼女を隠す
通り過ぎたあとも、大丈夫?と聞いても、全然大丈夫じゃなさそうな彼女
そのまま手を引いて、近くのベンチが空いているのを見つけ、そこに座らす
「なんか、飲み物買ってくる」
コクン
と静かに頷く彼女を置いていくのは、心配だったがこれ以上なんで声をかけていいのかわからず、近くの自販機か屋台かで飲み物がないか探す
(そりゃ、好きなやつ、ましては付き合ってると思ってたやつが別の人と花火大会でデートしてたらショックだよな、、)
俺まで、なぜかショックを受けながら、彼女の元へ戻ると
(男に声かけられてね、、?)
と彼女の手を引いて、どこかへ行こうとしている男が2人
女の子1人の力で勝てるはずもなく、ほぼ引きずられるような感じで連れて行かれようとしている
それに気づいた瞬間、走り出し、彼女を助けに行く
「なぁ、ちょっとくらいいいじゃんかー」
「やめてください!!ちょっと!」
ニヤニヤしながら彼女を触るそいつらに腹が立って、、
「おいおい、俺の彼女になにしてくれちゃってんすか??」
と身長が少しばかり高い相手に近づき、手を払って、彼女を背中に隠す
「あ?なんだお前」
「俺、ヒーローになる男なんで、負けないっすよ?」
と少し電気をビリビリっと見せる
すると、
「いや、いいわ、ごめんな!」
「お嬢ちゃんもごめんね!じゃ!」
と手のひら返しのような態度でどこかへ消えていった
(さっすが俺〜!)