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いろいろ詰め合わせ(短編)

第5章 年上彼女(上鳴電気)


香澄side


ドンチャンドンチャンと祭りの音楽が鳴っていて、出店は多くのお客さんで賑わっている


人混みをかき分けながら、花火が見える場所へ向かうが、人が多くてなかなか進めない


「香澄、大丈夫か?」


「う、うん」


ゆっくりと前を歩いてくれるし、何度も振り返り私の存在を確認してくれる電気


しかし、ついに人混みに押され、はぐれそうになってしまった

「きゃっ、電気っ!」


思わず名前を呼ぶと、ものすごい速さで振り返り、私の手をとる


「ごめん、しばらくこれで我慢して」

と握った手を掲げ、引き寄せ密着するくらいの距離になった


「あと、あんまり俺から離れないで?」


キュン、、


(違う違う違う、!いつもと違う雰囲気にドキドキしてるだけだからっ!)


予想もしてなかった胸のときめきに、全力否定する



しばらく歩いて、ひらけていてシートを敷いて座れる芝生があるところまできた


手は繋がれたまま、、


ふと、前を見ると、彼氏らしき人が前から楽しそうに女の人と話しながらこっちに向かってきているのが見えた


「え、?」


近づくにつれ、その人は本当に彼氏にしか見えなくなって


バっ、と電気と繋いでいる手を離す


「え、香澄、?」

私の方をみて、すぐに異変に気づき、目線の先を見る

察したのか、何も言わずもう一度私の手を引いて、自分の背中の後ろに隠す


彼らの楽しそうな声が通り過ぎていった


(あの人だ、、)


まさかの彼氏の登場に、驚きを隠せなかった


「香澄、今のが彼氏?」

コクン

と何も言わず頷く


「香澄、、ショックだよな、、」


そう言われて、私はさらに驚いた



(わたし、全然ショック受けてない、、)



よく考えてみれば、いつのまにか返信が来なくてもどうでもよくなってたし、この3.4日の間で一度も思い出すことがなかった





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