第4章 甘い匂い(相澤消太)
香澄side
歩き始めると、酔いが急に回ってきてふわふわし出す
(あー、なんか風も街の匂いも好きだな〜、、)
そんなことを思っていると
「おい、大丈夫かよ」
と手を引かれ、顔を覗き込まれる
「大丈夫ですよ〜!
そんなことより、相澤せんぱい、車どうするんですか??」
「ここのマスター、優しいから停めといていいって
まあここ学校から近いし、明日の帰り乗って帰る」
「今日はどうするんですか?」
「学校で寝れるから大丈夫だ」
といつものことかのように言う先輩
(そういえば、クラスに黄色の寝袋あって、相澤せんぱいのって子どもたちが言ってたな、、)
「わたしの家、、来ます??」
少しの期待も込めて、誘ってみる
「行かない」
が、やっぱり断られる
相変わらずの先輩に、思わず笑いがでてきて、軽く、本当に軽く、あの日のことを出してしまった
「ははっ、わたし、あの日のことずっと忘れられなくて、先輩と会えたの嬉しすぎて思わず誘っちゃいました!」
「え?」
目を見開いて、驚きの表情を見せる彼
(え、、覚えててくれたの、?)
そう思うと、涙が出そうになった