第4章 甘い匂い(相澤消太)
香澄side
雰囲気のいい近くの居酒屋に入って、他愛のない話をする
お酒の影響もあって、どんどん内容が深くなっていくものもあったり、とても楽しい
(相澤せんぱい、お酒が入るといつもよりおしゃべりになるんだ、、!かわいい!)
楽しい時間はあっという間に過ぎていき、
「ラストオーダーのお時間です」
と店員さんの声
「わかりました、菊川まだなにかいるか?」
「いいえ、私はもう大丈夫です」
「そうか、じゃあチェックで」
店員さんに、お会計を頼むと、「トイレ」と言って席を立つ
(相澤せんぱい、、)
久しぶり再会と、昔と同じような楽しい時間、何気ない気遣いや、仕草、話し方などすべてのことにときめいて、惹かれていくのがわかる
(だめだめ、、、)
首を横に振り、ひかれている気持ちを何とか否定しようとする
あの日の言葉も、もう先輩は忘れている、そう言い聞かせて
一人で悶々としていると
「お待たせ、何を一人で百面相しているんだ」
とニヤニヤしている先輩
「そ、そんなしてないです、!」
否定するも、「はいはい」と軽く流されて、ぷぅとほっぺを膨らます
そんな姿を見て、優しく笑う先輩
(ほんと、、ずるいんだ、)
一人で勝手にキュンキュンしていると
「おい帰るぞ」
という
「え?お会計は?」
「そんなもんとっくに終わらした、言わすんじゃねーよ」
はあ、とため息をつき、私のカバンと手を取る
(どこまでも、スマートだ、、!)
とさらにキュンキュンさせてくる