第4章 甘い匂い(相澤消太)
相澤#side
そのあと、なんだか気まずくて、今までのように他愛もない会話などなく、業務の会話だけになって、委員会が終わった
後期も1度も話すことなく、俺たち3年生の卒業式の日が来た
関わらなくなってわかったことは、彼女に対して惹かれていることと、自分の将来の夢について
『プロヒーローになりたい』
その気持ちを抱いて、受けた超有名な高校には無事合格した
卒業式が終われば明日のこの時間には、その高校があるところへ引っ越してしまう
それらのことが邪魔をして、俺は最後まで彼女と、話をするのができなかった
「卒業生、退場」
アナウンスが鳴り、泣いている周りを少し冷めた目で見ながら、退場をする
そのときに目に入ったのは、泣いている彼女だった
(ちゃんと、話さなくては、、、)
そう思い、教室での担任からのあいさつが終わるとすぐ
「相澤~!写真撮ろうぜ~!ってええ!?」
という、友達の声も聞き流して、そいつのいるクラスへ向かう
クラスに向かうと、ちょうど帰りの会が終わり、3年生のところに行こうとしているひとたちがいた
「菊川、、!」
「えっ!?相澤せんぱい!?」
見つけて、思わず名前を呼べば、驚いている彼女
「ちょっと、、いいか、、?」
その言葉に、「きゃーーー!」とクラスが沸いた