第4章 甘い匂い(相澤消太)
香澄side
救いの1声を出してくれたのは、1番若い酒井さん
「あ、相澤先生、お疲れ様です~
橋本さ~~~ん!菊川さん、学校回り行っちゃいますからね~!」
大声で橋本さんを呼ぶ酒井さん
「え~!もう、、!?菊川さん、仕事覚えるの早すぎて、最高なのに、、!
相澤先生、なるべく早く終わらせてくださいよ~?
超期待の新人さんなので、、!」
と部屋の奥にある資料の棚の奥から顔を出し、早口に言うと「じゃ、よろしくおねがいしまーす!」と言って、持ち場に戻っていった
「だそうで、相澤先生、お願いしまーす!
菊川さん、雄英高校の中、楽しんできてくださいね!」
と送り出してくれた
「失礼しましたー、、、」
まただるそうに、ドアを閉めながら事務室をでると、すぐにこちらを見て
「なんで菊川がここに、、」
とわかりにくくはあるが、驚きの表情で聞いてくる
「いや、、かくかくしかじかありまして、、事務員としてここに、、
相澤せんぱいも、ここに?」
「いや、俺は、ここ雄英の教師になった」
「プロヒーローをしながら、、?」
「ああ、、、」
歩きながら、少し気まずそうに話す彼
(ひげが生えたり、声が低くなったりしているけど、、
相変わらず、かっこいい人だ、、)
あのときより、何倍も大人っぽくなっている彼に、ときめいていると
「おい、菊川、聞いているのか」
「え?あ、はい、、?」
「だから、ここでは俺のことは先生と呼べ
全体の見学とあいさつに行ってから、俺の担任しているクラスに行こう
実際に生徒がどのような授業を受けているのか、見てみるといい」
「は、はい、、!」
すたすたと長い脚で、歩く彼を必死で追いかけ、学校の案内をしてもらった