第3章 はじめての一目惚れ(爆豪勝己)
爆豪side
一緒に回り始めると、アホ面たちがいろいろなことを聞いていた
名前は菊川香澄ということ、大学2年生であること
テニスサークルのマネージャーで、午前の最初の3時間のシフトで出店にいたこと
話せば話すほど、俺はそいつに惹かれていくのがわかっていた
それは俺だけではなく、こいつらもそれを感じ取っているわけで、、
わざと肩に手をまわしたり、彼氏に立候補するって言ったり、、、
(ウゼェ、イライラするわァ、クソが)
居ても立っても居られなくなった俺は、香澄の手を引いて、二人きりになった
「な、なんて呼んだらいいかな、、?」
さっきのアホ面たちからの質問に答えていたときとは、全く異なった様子で、おびえながら恐る恐る質問している様子の香澄に少し腹が立った
(あいつらのときは、顔赤くしながら楽しそうにしてたくせによ)
「好きに呼べやァ」
ちらっと香澄のほうを見ると、少し安心したように
「じゃあ、勝己くんって呼ぶね!」
と、笑顔で答えた
きゅん、、、
(なんだこれ、、)
名前を呼ばれただけで、こんなんなるんかと、高鳴る胸を抑えて、大学を案内してもらいながら学祭を回った
だいぶ日が落ちてきたとき、放送が鳴った
「今からグラウンドで、キャンプファイヤーを始めます。
ぜひみなさん、お友達や大事な人、好きな人を誘って、幻想的な炎を眺めましょう」
「これ、すっごいきれいなんだよ~!きっと理沙も行くから私たちも行こうよ!」
と、とてもルンルンで言うもんだから、思わず
「ああ」
と返事をしていた
(いつもだったらぜってぇ行かねぇけど)
グラウンドに行くと、理沙とか言われる、香澄の連れと、アホ面たちが相変わらず楽しそうに騒いでいた