第3章 はじめての一目惚れ(爆豪勝己)
爆豪side
結局、1時間後に一緒に学祭を回る約束をして戻ってきたクソ髪たち
しばらく、その女のことを横で見ていると、仲良さげな女が話しかけていた
「あの子もかわいいじゃん、あの子も一緒に回るのかなぁ」
と独り言か、何か答えてほしいのかわからないトーンで、アホ面が言う
「あー、見た感じ超仲いいね、
あの子とも一緒に回る約束しといたほうがいいんじゃね?」
としょうゆ顔が答えると、「じゃあいこうぜ」と二人で、違う場所へ向かおうとしていたその女に声をかけに行っていた
残された俺とクソ髪
「爆豪さぁ、結構ガチであの子のこと狙う感じ?」
とクソ髪が、がっつりあの女を見ながら、尋ねてくる
「知るか、クソが」
「だよな~、俺らまだ高校1年生だし、正直一目ぼれとか実際しててもよくわかんねぇよな」
とニヤニヤしながら、こちらを見てくる
「ウゼェ、、、」
思わずつぶやくと
「さっきの顔は、一目ぼれしてたと思うけどな~!」
げらげら笑いながら、応援するぜ、とか勝手に言っている
(一目ぼれなわけねぇだろ、、、)
とは思いながらも、やっぱりその女のほうを見ちまうし、なぜか少しきゅんとする気がする
結局、アホ面としょうゆ顔が声をかけに言った女は、見てしまう女の連れだったらしく、連れの女を3人で迎えに行きやがった
(だりぃな、、)
校舎から出てきてすぐに、携帯で連れに連絡を取っている様子のその女は、携帯をしまうとリップを塗りなおしている
その様子を、遠目から眺めていると、端のほうで野郎どもがそいつに声をかけようとしているのがわかった
その瞬間、俺は歩き出して声をかけた
「おい、お前、ちょっと付き合えやァ、、」
(一目惚れ、なんかじゃ、、ねぇよ)