• テキストサイズ

いろいろ詰め合わせ(短編)

第18章 再会(宮治)



「う、、うまぁ…!!!!」


「ほんま!?よかったー!」



今日のおすすめしゃけと、看板メニュー卵黄そぼろを作ってもらい、頬張る

「お米がホロホロもちもちで、程よい甘みがしゃけの塩っぱさと相性バツグンで…!!おいしすぎ!!!」



「おー、さすが出版社勤務、食レポが完璧やなぁ」



カウンターに座り、横並びでおにぎりを頬張る私を、治はニコニコと見つめる


「このお米、北さんのところのやねん」


「…うん、、信ちゃんから聞いとったで…
治がおにぎり屋さんするん」


「え、ほうなん?
北さん、そんなこと一言も言ってへんかったなぁ…」


残ったお米で握ったおにぎりを頬張る治
一方私は、おいしすぎてペロリと完食






お互い、「ふぅ…」と息を吐く
それは、食べてお腹いっぱいになったからなのか、これから話す覚悟を決めたからなのかはわからない



「「あの、!」」

「あ…、」「どうぞ!」


声が被ったが、笑うことはなく緊張は増す一方
切り出したのは治


「まず、あの時、たくさん酷いことを言って…突き放して…めちゃくちゃ傷つけて…ほん、まにごめん…!」


「うん…、なんで、急に冷たくなって振られたんか…、本当にわからへんくて…ファンの子たちに笑顔を振りまく治を見るんが…ほんまに…しんどかった」


「うん、そうやんな、、わかってた、ほんまごめん」


頭を下げて、泣いてるのか肩を震わせている


「ただ…」


と顔を上げ、私を見つめる治の目は真っ直ぐで強くて、切なかった


「一度も香澄のことを忘れたことなんてない
他の人とどうこうなったこともない

…ずっと今までも…そして、今も…





俺は香澄のことだけが好きや…!」





「っ…!」






好きだと聞いた瞬間、また溢れ出る涙






「うん…私も…!!



ずっと…


治のことが、好き…!」




泣きながらまっすぐ目を見て伝えると、見開かれた治の目


その目には、涙が滲んでいた





/ 243ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp