第18章 再会(宮治)
「う、、うまぁ…!!!!」
「ほんま!?よかったー!」
今日のおすすめしゃけと、看板メニュー卵黄そぼろを作ってもらい、頬張る
「お米がホロホロもちもちで、程よい甘みがしゃけの塩っぱさと相性バツグンで…!!おいしすぎ!!!」
「おー、さすが出版社勤務、食レポが完璧やなぁ」
カウンターに座り、横並びでおにぎりを頬張る私を、治はニコニコと見つめる
「このお米、北さんのところのやねん」
「…うん、、信ちゃんから聞いとったで…
治がおにぎり屋さんするん」
「え、ほうなん?
北さん、そんなこと一言も言ってへんかったなぁ…」
残ったお米で握ったおにぎりを頬張る治
一方私は、おいしすぎてペロリと完食
…
お互い、「ふぅ…」と息を吐く
それは、食べてお腹いっぱいになったからなのか、これから話す覚悟を決めたからなのかはわからない
「「あの、!」」
「あ…、」「どうぞ!」
声が被ったが、笑うことはなく緊張は増す一方
切り出したのは治
「まず、あの時、たくさん酷いことを言って…突き放して…めちゃくちゃ傷つけて…ほん、まにごめん…!」
「うん…、なんで、急に冷たくなって振られたんか…、本当にわからへんくて…ファンの子たちに笑顔を振りまく治を見るんが…ほんまに…しんどかった」
「うん、そうやんな、、わかってた、ほんまごめん」
頭を下げて、泣いてるのか肩を震わせている
「ただ…」
と顔を上げ、私を見つめる治の目は真っ直ぐで強くて、切なかった
「一度も香澄のことを忘れたことなんてない
他の人とどうこうなったこともない
…ずっと今までも…そして、今も…
俺は香澄のことだけが好きや…!」
「っ…!」
好きだと聞いた瞬間、また溢れ出る涙
「うん…私も…!!
ずっと…
治のことが、好き…!」
泣きながらまっすぐ目を見て伝えると、見開かれた治の目
その目には、涙が滲んでいた