第18章 再会(宮治)
「…ほんまに…?
ほんまに、まだ俺の事好きでいてくれてるん…?」
弱々しく言う彼に
「うん!ほんまに好き…!」
ともう一度伝えると、一筋の涙が治の頬を伝った
「…なぁ、、手、握ってもええ?」
小さく言う彼の手を、握りに行くと、指を絡ませギュ、と握る治
「ありがとう…香澄…
ほんまに好き…、ずっと好きやねん…!
あぁ…よかった…」
「はぁ…」と安堵のため息を着く治に、涙ではなく自然と笑みがこぼれる
…
しばらく沈黙が続いて切り出したのは治
「…なぁ、、次は…抱きしめてもええ?」
チラ、と恥ずかしそうに言う彼につられて、私も恥ずかしくなり頷く
すると、椅子を私の方によせ、治の足の間に入るように抱きしめられた
(治の匂い…、抱きしめられるときの力の強さ、)
「治の全部、ほんまに好き…」
治の背中に回した腕に力を入れ、今の状況を噛み締める
治の力が緩み、体が離れたと同時に寂しさを感じる間もなく
「俺も」
と優しく微笑みながら、近づいてくる彼
(あ…)
と思って目を閉じると暖かく、柔らかいものが口を塞いだ
一回目は長く
二回目からはついばむように短いキスを繰り返す
「…ん…っ、、ぁ…」
少し温度が上がり、治の腕を掴んでいた私の手に力が入る
ちゅ…チュ…チュ…
繰り返されたそれも名残惜しく離れ、愛おしそうな目をした治が
「上、俺ん家やねん…
泊まってく…?」
荷物はホテルにあるのに、とか、着替えのこととか色々本当は考える事があるはずなのに、そんな間もなく頷いていた自分に驚く
手を引かれ、お店の電気を消した治が振り向いて、私の顔を確認する
「よかった、さっきみたいに泣いてへんな…?」
とまた優しく笑い、階段を上っていった