第18章 再会(宮治)
今から向かうね、と連絡を送り、早歩きで駐車場へと向かう
(あれ?
入り口にいるあの人…)
「治…?」
名前を呼ぶと、携帯を触って俯いていたその人が顔を上げる
「香澄、おつかれ」
フワッと優しく微笑む治がいた
「待っててくれたん?」
「うん、少しでも早く会いたかってん」
それを聞いた瞬間、またギュ、と胸が締め付けられ苦しくなる
(あぁ…もう…)
「ほな、いこか」
そう言って、私の荷物を持つ治
「え、ええよ、もてるよ」
「ええねん、俺がやりたいから」
「ありがとう」
「おん」
車までの短い距離、治の後ろをついていく
その背中を見つめ、改めて思う
(私…治のこと、まだ好きなんや…)
自覚した途端、久しぶりに会えた感情が溢れ出し、涙となって現れる
「っ、、グズ…、」
「香澄ついたでって、え!?どしたん!?大丈夫…!?ほんまはいやとか…、!?」
車について振り返ると泣いてる私に気づき、慌てる治
「ちゃうねん…っ、、ず…、、改めて会えて嬉しいて思ったら…涙でてきてん…っ」
そういい終えると治が私に手を伸ばし、溢れる涙を拭ってくれる
「とりあえず車乗り?ゆっくり話そうや…、」
車の扉を開けて、私を座らせる
「とりあえず店向かってええ?」
エンジンをかけながら聞く治に、頷くことしか出来ない私
涙が止まらず、話は全く進まなかったけど、二人でいる空間があまりにも心地よくて、
(治もわたしのこと、まだ想ってくれてたらいいな…)
そんなことを思いながら、あっという間におにぎり宮の店舗に着いた
「お腹すいてへん?」
「…すいてる…」
小さく恥ずかしさ満点で返す私に、治はフッと笑い、私の頭を撫でた
「なんでも作ったる、何味のおにぎりがいいか選び」
そう言って、車の扉を開けてくれる治
「…ありがとう…」
「おん」
とても嬉しそうに返事する治に連れられ、お店の中へと入った