第18章 再会(宮治)
「「ありがとうございました!!!」」
選手や、運営の方々色んな人の感謝が会場に響いて、無事にスペシャルマッチを終えた
「はぁ…」
と息を吐くのは黒尾さん
(すごく緊張してただろうな、企画するのもここまでの人達に声をかけ続けたのもこの人…すごいなー…)
そう思いながら黒尾さんに感謝を伝える
「黒尾さん、今回はこんな素敵な企画に誘っていただき、本当にありがとうございました。
とてもいい記事が書けそうです!いや、書きます!」
「うん、頼むね、赤葦からすごくいい言葉のチョイスをする尊敬する先輩だと聞いているから」
「え、?そんなことを?」
「ちょっと黒尾さん、変な事言うのやめてください」
あ、やべ、とニヤニヤしだす黒尾さんと、気にしないでください、と私に言う赤葦さん
それすらもこのスペシャルマッチがこんなにも大成功を収める1要因なんだ、と感じながら満足感に包まれていった
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「お疲れ様です」
「赤葦さん、最後まで手伝ってもらってありがとうございました」
「いえ、普段は少年漫画担当ですが、本来は文芸希望だったのですごくいい刺激になりました」
片付けももうほとんど終わり、帰りのタクシーを手配しながらそういう赤葦さん
1度私も携帯を確認すると
「あ…」
そこには治の名前
『終わったら車で送るから連絡して
駐車場でまっとる』
ギュン、と胸がなり、またドクンドクンと騒ぎ始めた
「菊川さん、タクシーあと少しできます」
赤葦さんがそういって、荷物を持ちあげる
「あ、赤葦さん、すみません
高校の後輩が送ってくれるみたいで、このまま直帰します」
「わかりました、では最後に黒尾さんに声掛けてから行くのでお先にどうぞ
お疲れ様でした」
「うん、ありがとう、お疲れ様でした」
ぺこりとお礼をして、治が待つ駐車場へと向かった